
- 酪農
酪農の未来はここから始まる! 可能性にあふれるノベルズの酪農事業
(公開日:2021年1月6日)※掲載内容は取材当時のものです
出身は、兵庫県丹波市です。関西の大学と大学院を卒業し、外資系の医薬関連会社で治験に携わっていました。治験とは、医薬品や医療機器の製造販売に関して、医薬品医療機器等法上の承認を得るために行われる臨床試験です。
ボランティアに力を注ぐ会社だったこともあり、働く中で、いつしか「海外で人の役に立つ仕事をしたい。できればバイオテクノロジーの知識を活かして手助けできることはないか」との思いが強まっていきました。その答えが青年海外協力隊への応募でした。
残念ながら新型コロナの影響により、入隊は断念せざるを得なくなりましたが、もう一つの夢であった「いつか北海道で生物と接して暮らしたい」という想いが再燃。これも巡り合わせだと思い北海道での就職活動を開始したんです。
実は、幼い頃に読んだ『動物のお医者さん』という漫画が好きで、北海道大学に行こうと考えた時期もあったんです。青年海外協力隊の道が閉ざされたころ、『銀の匙』の最終巻が発売され読み終わったころには「北海道に行こう。」と決意していました。(笑)
条件は、北海道の会社で会社組織として確立され、かつ大規模であることでした。また、業種業態に関わらず多様なバックグラウンドの人や、グローバル人材が働く会社であれば「なお良し」と条件のハードルを上げると、自ずとノベルズにたどり着きました。いま考えれば、日本の農業で私の提示した条件を満たす企業はほぼないんです。
修学旅行でしか北海道には来たことがなく、まして十勝は初めてです。5月に桜が咲いていることに驚き「僕を迎えてくれたんだな」と勝手に思っていると、6~7月の暑さ、10月に入ると一気に気温も下がり、11月には関西の真冬以上の寒さです。ただ、関西に比べて湿度が低いので、暑いと言っても爽やかな暑さです。風が吹くとそこはもう、幼い頃に描いた「ザ・ほっかいどう」ですよ。
職場も多様性があり、多国籍な人が働く、条件通りの職場環境でした。牧場は規模拡大、会社としても成長を続けていますが、それ以上に、働き方改革や現場課題を真剣に解決する姿勢の会社であったことは予想以上の収穫です。現状は、入社して十勝に移住して間違いありませんでした。
北海道十勝をアクティブに満喫したい!
入社後、配属されたのは育成牧場におけるハッチ業務です。ハッチとは牛が産まれてから50日までを管理する部署です。業務内容は子牛に与えるミルクの回数(時間軸)に合わせていろいろな作業があります。常に気をつけている点は牛の状態を観察することです。水を変え、ミルクを飲ませ、体調を崩している牛を獣医師の指導の元で治療するなどの作業をする中、すべての牛を観察しています。
獣医師の方が定期的に来られますが24時間常駐しているわけではありませんので、我々が作業の合間に発見する多種多様な症状を、ときには獣医師に相談し、カラダの弱い子牛の体調管理に努めています。おへそが腫れる、耳が下がるといった一見、見逃してしまいそうな症状を、膨大な過去症例データを頭に入れながら観察します。部署は数人チーム単位で動きますが、1チームで約400頭を管理しています。
「子牛の全てを知りたいですね」
当然ですが、入社した当時は牛の前を通っても何も気づけません。ところが、同行する先輩たちは、次々に異変を察知し、メモして行くんです。皆、牛のまぶたの開き具合や目を見ながら、健康な牛とは違う「何か」を見つけて行くのです。実際に牛の体温を測ると熱が高いなど数値としても表れていました。
膨大な過去症例を頭に入れながら毎日、牛を観察すること数ヶ月。少しずつですが牛の異変に気づける自分がいました。400頭の命を預かる身としての責任もあります。漠然と「北海道で生物に携わりたかった」という想いが、現実となりました。生き物ですから、症状を発見し、治療を施すことで改善しますが、もっと早く見つけてあげられていたらと後悔することもあります。だからこそ、全力で取り組まなければならないことも身をもって知ります。
1日のスケジュールとしては、朝7時に出社し、先ずは全頭見回りながら、昨日までの治療が効いているか、別の症状はないか。新たに体調を崩している牛はいないかを観察。その後は、前述の作業を担当ごとに行いつつ、常に牛を観察しています。定時の17時30分には終わりますが、生き物相手の仕事ですから、牛の急変や重症化した際は、残業することもあります。
社会人経験があったことで、仕事に対する積極性の大切さはわかっているつもりです。経験者や先輩・上司への報告・連絡・相談を徹底することで、牛の命を守ることに繋がっていると自負しています。
入社して半年が経ちました。生活環境の変化と学ぶことの多さであっという間でした。慣れない作業で体力的にきつかったこともありますが、少しずつですが慣れてきました。夜はしっかり眠り、朝ごはんが美味しく感じる毎日。無駄な肉も落ちて関西で働いていたときよりも健康体なのがわかります。目標も明確になり始め、あとは達成に向けてどう進むかを日々、考えながら働いています。
「くそオヤジ最後のひとふり」が食べたいです
社風は、思い描いていた通りの多様性と多国籍に富んだ環境が自分には合っていると感じています。業務は縦割りでしっかり分けられてはいるものの、部署内で問題が生じると、すぐに他部署から応援が駆けつけ、解決するという組織力の凄さは身をもって感じています。
仕事以外でも気軽に話しかけられる風土もあり、皆で食事に行くことで先輩や上司に相談したり、情報共有の場として他部署の状況を聞くなど、風通しの良さは高いと思います。
休日は、まだまだカラダを休めることに時間を費やしていますが、たまには映画を観たり、買い物をしに帯広へ行きます。学生時代にイタリアンレストランでバイトをしていた経験があるので、食事は自炊が多いですね。住んでいる上士幌町は、お金を使う場所が少ないので貯金もできますよ。
趣味は、スイーツ王国「十勝」を食べ歩くことです。おすすめは「あさひや(帯広市)のシャインマスカットタルトですね。サクサクのタルト生地とホイップクリームに、爽やかなシャインマスカットが良く合うんです。
関西時代はラーメン屋の食べ歩きも好きでしたが、まだお気に入りの店はありません。現状は、関西の人気店「くそオヤジ最後のひとふり」が私の中でNo.1です。あと和歌山ラーメンも好きですね。ぜひ、関西に行った際は行ってみてください。
仕事も慣れ始めました、今後は「子牛をもっと知りたい」という純粋な目標に向かって邁進していきます。その後は、子牛が産まれるまでの母牛の状態や、出産過程での母牛からの因子が子牛にどう影響を及ぼすのかを追求したいですね。そのためにも分娩にも携わってみたいです。
好きな言葉にパスツールの「幸運の女神は、準備を終えた者のところにしか訪れない」とあるように、チャンスはいつ回ってくるかわかりませんから、努力を続け常に準備をしておきます。
雪が溶けたらツーリング!
出身:兵庫県
ふるさと丹波市と言えば「丹波黒大豆」「丹波大納言小豆」「丹波栗」という特産物で「丹波三宝」と呼ばれています。小さな市で瀬戸内海と日本海の間にあり、実は雪も降るんです。
2019年 | CRO(医薬品開発業務受託機関)会社入社 |
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2019年 ~2020年 |
臨床開発モニター担当 |
2020年 | ノベルズ入社 |
2020年 | 延与牧場配属 |
「温故知新」
生物工学が好きで、ずっと勉強してきました。化学・科学の他、多くの学問は歴史的発見から進歩してきたもので、その過程を学んでこそ新しい発見が得られると信じています。技術や環境はどんどん新しくなっていきますが、これまで蓄積してきた経験や知識を疎かにせずに、生かしていくことを大事にしています。
自称「スイーツ男子」です。スイーツ王国「十勝」はまさに天国。美味しいスイーツ巡りは時間のある限り、続けています。