2022年受精卵移植受胎率②
前回のコラムの続きになります。
前回はこちら↓
今回は以下の複数の要素に分けて分析をしていきます。
・授精移植回数別:その産次においての何回目の移植だったか(授精も数えて)
・DIM区分別:DIM(Days in milk)を50日ごと(0~80日、81日~100日のみ20日ごと)に区切り、どの日数帯だったか
授精移植回数別受胎率
受精卵自体が精液と比べて安くはないため、ほとんどが高受胎を期待できる初回移植に集中しています。
2回目以降の移植回数の母数が少ないため断言はできませんが、6回目以降に関しては受精卵移植は受胎に対しての期待値が低いというデータになっています。
搾乳回数や飼養頭数、泌乳ピークまでの日数や度合いなどによって違ってきますが、いわゆるリピートブリーダーに対して利用する場合には、授精3回の後に止まっていない場合に、4回目・5回目で移植するのが限界かと思われます。
DIM区分別受胎率
DIMをある程度頭数がまとまるように50日ごとに分けて出しました。
前述の通り0~80日、81~100日の区分だけ日数が変わっていますのでご注意ください。
移植が早すぎる場合は少し受胎率が下がる傾向が見えますが、一回の移植の期待値が高いのは250日までという結果になりました。
ただ、そこまでの日数になると、受胎したとしてもその後の乳量減少を考えた場合に経営的にどうなのか、という話にもなってきますので、そもそも移植に臨むべきかもよく考えないといけないですね。
ちなみに授精移植回数とDIMを分けて出したのは、授精回数が少ないが空胎日数が延びている(分娩後の産褥からの回復に時間を要したなど)理由がある場合を考慮したためです。
様々な理由でリピートブリーダーに受精卵移植をすることがあると思いますが、判断するための材料の一つになればと思います。