2021年受胎率が出そろいました!
NBS外谷です。
前回の記事で少し取り上げましたが、2021年の弊社和牛新鮮胚移植の受胎率が出そろいましたのでそのご報告です。
受胎率はなんと!
89頭移植の41頭受胎で46%!!(妊娠日数50日通過で受胎と判断)
…うん、普通。
普通ですね。良くも悪くもなく。OPU新鮮胚使用なら55%~60%は目指したいのですが、目標達成には至りませんでした。
ただただ受胎率だけを取り上げても意味はないので、ここから複数回に分けて、細かく分析をしていこうと思います。ご参考になれば幸いです。
2021年移植徹底解剖!
上記、移植した牛です。データは10数戸のお客様の合算になります。その他の2頭は移植を弊社移植師が行っていないため、詳しい情報が手元になく、受胎結果だけお聞きしました。
ほとんどがホルスタイン経産牛への移植でした。リピートブリーダーへの移植割合が3割くらいになります。
これから出てくる用語の定義が以下の通りです。
- 35+:35日妊娠鑑定をプラスで通過(28日でPAG検査している場合も含まれています)
- 50+:50日再妊娠鑑定をプラスで通過(60日の場合も含まれています)
- 後期胚死滅率:35日通過後、50日鑑定までに発情回帰または50日鑑定でマイナスになった割合
- 受胎率:移植頭数/50日鑑定プラス頭数
- 流産頭数:50日プラス後に発情回帰または別の形でマイナスが確認された頭数
- 流産率:50+/流産頭数
産次数0は未経産牛です。
若い牛の受胎率は申し分ないのですが、やはり産次数が上がると反比例するように下がってしまいますね。一般的な人工授精でも同じ傾向がありますので、セオリー通りといったところです。
後期胚死滅率は目下の課題です。0にすることは難しいですが、最低限10%は切りたいですね。別記事に記載しますが、移植日(Day)によって後期胚死滅率が変わるようなので、今年は意識して取り組みたいと思っております。
DIM(搾乳日数、分娩後日数とほぼ同義)ごとの受胎率です。
251日以降の牛はほぼリピートブリーダーで、ここまで伸びてしまうと受精卵移植でもなかなか難しい部分がありそうです。最初の頃のコラムでも触れましたが、リピートブリーダーは乳成分を分析すると肝機能低下が疑われる場合が多く、個人的には肝臓へのアプローチを最初にすべきと考えています。これに関しては面白いデータが取れたので、また別記事で取り上げます。
長くなってしまったので、また次回に。次は移植Dayや同期化処理方法別の結果を取り上げます。