
極める-農家さんのご紹介-
暑いですね
半年ぶりの投稿です。
久々の投稿が暑さの愚痴から始まるのもお恥ずかしいのですが、言わずにはいられません。
弊社のある北海道十勝も、10日ほど前から連日の最高気温が30℃を超えています。
ちなみに昨年の十勝の6月29日の最高気温を調べたら22℃でした。
今夏は暑くなる予報は出ていましたが、それにしても暑すぎます。
レシピエントのホルスタイン達もみんなしんどそうです。
皆様も熱中症にお気を付けください。
物事を極める方
今回のコラムはデータ分析ではなく、珍しく農家さんのご紹介です。
3年前から弊社の和牛受精卵を御利用いただいている酪農家、名寄市のTさんが色々すごいので紹介させてください。
Tさんは当初和牛受精卵を本格的に始めたばかりだったので、上手く和牛子牛を育てて販売して経営を安定させましょう、程度の提案を私からはしていました。
しかしそこはTさん、何事も突き詰める性格なのでヌレ子販売にとどまらず、和牛素牛生産と和牛繁殖まで手掛けるようになりました。すごいですね。
Tさんは元々酪農を専業でやっており、200頭ほどを搾っていました。
牛舎はほぼオートメーション化されており、搾乳・給餌・除糞はほとんどロボットがやってくれています。
和牛受精卵移植を本格的に始めるまでは後継牛用のホルメス生産と、後継を残す必要のない親牛には和牛を授精して販売用に交雑牛を生産しており、生後1か月齢で販売していました。
このころから交雑牛の子牛も大きく仕上げられていたので、いつも高値で販売されていました。
受精卵による和牛生産を本格的に始めたのは2022年からで、その当時はまず安定した受胎率を確保することと、子牛を無事に分娩させてとにかく市場まで出すことが最優先だったので、素牛やましてや繁殖牛までやるとは思っていませんでした。
最初は和牛子牛を2か月齢(いわゆるヌレ子です)で出荷しており、前述の通り子牛を大きくするのは得意とされているので、市場でも高値で販売されておりました。
実はこのころから素牛販売までも視野に入れて、南北海道や十勝の素牛市場に視察に行かれていたそうです。
哺乳舎はオガ粉をふんだんに引いて快適にしています。
気持ちよさそうですね。
常に勉強と工夫を欠かさない。
Tさんは普段からとても勉強熱心な方で、調べて必要と思えるものは全て取り入れてしまいます。
普段お話ししていても繁殖技術や和牛血統などを熱心に尋ねられることが多く、常に吸収する姿勢がすごく、こちらも勉強になります。
仕事の中でも工夫を欠かさず、近くの職人さんに依頼して、ホイールローダーに取り付けられる、牛を運ぶ籠まで作ってしまいます。(下の画像)
最初の素牛販売の結果は。
最初の素牛販売は今年の5月16日。
南北海道市場に出品した北美津久の素牛のメスは約80万で売れたそうです。
この日のメスの平均は62万円だったので、とてもいい牛を作られたのだと思います。
素牛販売額を聞いたときには、ここまでやってしまうかと驚きました。
牛舎に入るとわらわらと集まってくる素牛達。大事に飼われているのでとても人懐こいです。
ちなみにこの牛舎は素牛用に新しく建てたものです。またまたすごい。
目が離せません
たったの3年で今や130頭近い和牛を飼っているTさん。発展のスピードもすごい。
Tさんは和牛繁殖も始めたので、これからは採卵もしていくそうです。受精卵販売などもやっていくのでしょうか。まさかこれからはライバルに…?
まだまだ発展していくTさんから目が離せません。
ちなみに、コラムのサムネイルの左側がTさんで、右側は専属の獣医さんです。
獣医さんの移植の腕も良く、常に6割程度の受胎率を維持されています。とことんすごいですね。