移植師コラム

北海道酪農技術セミナーに参加します

北海道酪農技術セミナーに参加します

 

今年も北海道酪農技術セミナーが開催されるようで、企業講演の時間をうちがもらえるようになりました。

ただ、うちは主に北海道内で黒毛和種体外受精卵の販売(ついでに移植)をしているだけなので、「ホルスタインに和牛の卵を移植して、和牛子牛を売って稼ごう!」くらいのすでに多くの酪農家さんが取っている手法を再度宣言するだけになってしまいそうです。
10分くらいの講演でそれで済めばいいのですが、企業講演は50分もあります。万事休す。

 

黒毛和種受精卵移植をやりましょうねー、だけなら誰にでも言える話なので、なにか面白くなるようなことがないかと考えています。

 

4年前より、うちは親会社が作った黒毛和種体外受精卵を主に酪農家さんに向けて売ってますが、肝心の酪農家さんはそれで本当に利益が出てるのかが疑問でした。

 

例えば1頭のホルレシピエントに移植をして一回で受胎したと考えて、子牛価格が仮に50万円なら受精卵購入費用と移植費用をそこから引けば移植一回の粗利は出ます。

受精卵費用と移植費用が合わせて5万程度なら、45万が粗利、これがF1生産だったら販売額が倍ぐらい違うので、和牛卵移植をやったほうがいいよねーと言ってもいいんですが、F1と和牛だと出荷時期が違ったりするし、和牛子牛のほうが事故が多かったり死亡率が高かったりするので、簡単な話ではないです。

 

和牛受精卵の営業をしていると、和牛を育てるのが不安とか、ちゃんと止まるかが不安とかはよく聞く話で、そういった不安に今まではっきりと答えられませんでした。
さらに、思い切って取り組んだはいいけど人員不足や設備の問題で子牛をうまく育てられず、やらなければよかったという声もいただきます。

 

そういった不安、後悔も、良い結果、悪い結果のイメージと修正タイミングの可視化ができていればある程度解消されるのではと考えています。

 

せっかくの機会なので、自分の勉強も兼ねて、受精卵移植費用や毎日の餌代などの係数を設定して、
「自農場の経営においては、移植受胎率が下がってしまった時の許容範囲はどこまでなのか、子牛死亡率の目標はどこに設定すべきか、それらを踏まえて和牛卵移植に挑戦すべきか」などを計算してみようと思います。
レッドゾーンが理解できていると、上手くいかなかった場合でも気持ちが楽ですし、「うちは今そこまでの状況じゃないから和牛受精卵移植をやるべきではない」という基準作りの参考にもなるかと思います。

 

 

セミナー資料の完成と提出は9月30日までなので、このコラムを使って経過報告と怠けないように自分のケツにムチを打っていこうと思います。

 

ちなみに完成形のイメージですが

 

理想:自社農場の係数(受胎率や受精卵購入費など)を入力すると全部計算して、和牛卵移植をやるべきか判定してくれるアプリの開発と配布

※アプリ開発なんぞやったことが無いので多分厳しい。でもやってみたい。

 

現実:講演内で仮の数字を設定したものを発表。こっちに落ち着きそうですが。。

 

締切まであと二ヶ月、そもそもコラム更新もそんなに出来ていない自分ができるのかわかりませんが、セミナーに来ていただいた皆様の参考になるものが作れればと思います。

 

今年の北海道酪農技術セミナーの詳細は酪農業界の情報サイト、「らくコネ」さんに載っているのでリンクを貼っておきます。2日間ともすごく楽しそうな講演が目白押しです。

皆様お忙しい事と思いますが、ぜひご参加ください。

 

らくコネさんのサイトリンクです↓

 

北海道酪農技術セミナー2025

 

 

 

 

 

 

 

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