ノベルズグループ|北海道十勝を拠点に肉牛・酪農・食品事業を展開

【ノベルズ音更牧場が協力】肉牛の消化管内発酵由来のメタン測定試験開始~温室効果ガス削減に向けて

 

9月17日、ノベルズ音更牧場で、牛の消化管内発酵由来のメタン排出量のモニタリングなど、畜産分野における気候変動緩和、温室効果ガス(GHG)削減技術の確立に向けた実証試験が始まりました。

 

この実証試験は「令和4年度日本中央競馬会畜産振興事業」で採択された、「肉用牛生産におけるGHG削減可視化システム構築事業」(全国肉牛事業協同組合/東京農業大学 共同実施、令和4年度~6年度)による取り組みで、音更牧場を含め全国3箇所の農場が協力しています。

 

本年度に行われる実証試験は黒毛和種の肥育牛を対象としたもので、音更牧場では約11~13カ月齢(試験開始時点)の去勢牛を試験対象としています。

 

今回、当初実証試験の主な資材として、メタン菌抑制効果が期待される機能性飼料「ルミナップ」(主成分:カシューナッツ殻液、製造元:出光興産グループ/エス・ディー・エス バイオテック※1)、ガス採取システム(ガス分析計など)、フードカバー、連動スタンチョンなどが用意されました。

 

ガス採取システムと計測器

ルミナップ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音更牧場での試験では、1グループ(計15頭目安)を「対照群(無添加)」、「給与群①適濃度群(100g)」、「給与群②高濃度群(200g)」(※2)の3区画、5頭ずつに分けて飼養管理を行い、毎朝、配合飼料にルミナップを添加して給餌。来年1月にかけて、3グループの牛群で実施する計画です。

 

メタンの測定は、給与前(0カ月)、給与後1カ月、2カ月、3カ月時点の4段階で行われます。なお、メタン排出量は、農研機構が今年3月に公表した測定マニュアルに基づき、牛の呼気中メタン/二酸化炭素濃度比を活用した推定法で算出されます(スニファー法)。そして、取得データをもとに、実施団体が科学的検証を行います。

 

音更牧場では、ルミナップ給与前測定が、第1グループでは9月17日から、第2グループでは9月20日から3日間にわたり行われました。採食中、1頭あたり6分間の測定が行われます。現在はルミナップの給餌も始まっており、まもなく第3グループの給与前測定も開始予定です。

 

今後、本実証試験を通じて有意なデータが得られ、機能性飼料の利用やメタン測定システムが確立し、抑制効果の可視化が評価されることで、畜産業界で環境配慮に対する取り組みが広がることが期待されます。

 

メタン(CH4)数値

二酸化炭素(CO2)数値

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※1 GHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)

※2 エス・ディー・エス バイオテックは出光興産の100%子会社。2022年7月1日より、出光興産アグリバイオ事業はエス・ディー・エス バイオテックと事業統合

※3 当初計画より1日あたりのルミナップ給与量増加

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