帯畜大で食味試験 ノベルズと共同研究
「十勝ハーブ牛」のブランドを冠することのできる牛肉の条件は長期の飼養。そこで、トータル飼養期間が長いほど、牛肉がおいしくなることを科学的に証明しようと、帯広畜産大学の口田圭吾教授(家畜育種学)の研究室は7月29日、肥育期間の異なるハーブ牛を食べ比べてもらうユニークな食味試験を実施。ノベルズグループとの共同研究による食味試験で、今回の試験結果は学術論文として発表される予定となっています。
飼養期間とおいしさの相関関係の実証が目的
ハーブ牛のブランドを冠することのできるのは、トータル飼養期間が32カ月以上、39カ月以下である1産を経てノベルズから出荷される交雑種の雌牛だけとなっており、今回の試験は、飼養期間と食味のおいしさの相関関係を科学的に実証するのが目的です。月齢がそれぞれ32カ月、35カ月、37カ月のハーブ牛のローストビーフを合わせて18キロ用意しました。
味覚の“正しさ”をチェックする「五味試験」も
食味試験には200人以上の試験結果のサンプルが必要になることから、大学進学を考える高校生などを対象に研究成果やカリキュラムを紹介するオープンキャンパスの開催日に合わせて実施。試験会場を訪れた高校生や父母には、まず、塩味、甘味、苦味、酸味、うま味の5種の成分をわずかずつ溶かした水を口に含んで判別してもらう「五味試験」を受けてもらい、次に、月齢の異なる3種類のローストビーフのおいしさを食べ比べていただく試験を実施しました。
十勝ハーブ牛の枝肉を撮影し研究
今回の食味試験は、最上級の牛肉を「A5」などと表す格付け研究の国内第一人者である口田教授の研究室とノベルズグループとの共同研究の一環。格付けは枝肉の肋骨部分の断面に入ったサシの具合などで決まりますが、口田教授は、カメラで撮影して分析する手法を開発。口田教授の研究室との共同研究は8年ほど前に始まり、以来、ノベルズから地元十勝の卸売業者を通じて出荷する肥育牛の枝肉はすべて、その断面を撮影して肉質などの一層の改良に役立てているほか、ここ数年は、今回のような食味試験を実施してきました。
今回の食味試験は2つの試験を組み合わせることで、多くの被験者のうち、特に味覚の敏感な方が、どのように月齢の異なる牛肉のおいしさを判断するか、信頼性の高いサンプルを集める狙いがあります。どのような結果が得られるか、発表される学術論文の内容が注目されるところです。
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