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北海道へJターン! フィッシングガイドとして雄大な自然の中で働く下森さん
移住の豆知識
公開日:2022年9月12日

北海道へJターン! フィッシングガイドとして雄大な自然の中で働く下森さん

「東京の暮らしは自分には合わない」と感じていた下森雅文さん。東京の会社を退職した後、地元北海道へJターン移住を果たしました。北海道帯広市で公務員を務める傍ら、「いつか北海道の雄大な自然の中で働きたい」と考えます。その思いを実現するために、どのような行動を起こしてきたのでしょうか?

Redband Artworks 代表
DESTINATION Tokachi アドバイサー
名前:下森 雅文
◆39歳
◆北海道広尾町出身
株式会社ノベルズ
ノベルズウェーヴ編集部
目次

東京での暮らしは自分には合わないと感じていた

北海道広尾町出身の下森さん。大学進学を機に上京しましたが、都会の雰囲気に馴染めず、大学2年生の夏に一度は自主退学し、約1年半に渡り海外バックパッカーとして放浪。海外で視野と見聞を広めた後に、「大学は卒業しよう」と同じ大学に再入学・卒業します。

編集部

自己紹介をお願い致します。

下森さん

はい。1982年に北海道・十勝の広尾町で生まれ育ち、函館ラ・サール高校へ進学。2001年4月に東京にある国際基督教大学の教養学部国際関係学科に進学しました。卒業論文は自然環境保全に関する国際機関で、世界自然遺産の登録等にも携わる国際自然保護連合(IUCN)に関してです。卒業したのは2007年3月でした。

編集部

?? 01年入学~07年卒業ということは、大学には6年間在籍していたのですね。

下森さん

はい。留年や休学ではなく、自主退学をしています。当時の大学ではそういった制度がありまして、休学をするよりも復学する際の費用が安く済むという点から、「1年半後には必ず大学に戻る という前提で、自主退学の手続きをしました。

編集部

なるほど、その自主退学期間ではどんなことをされていたんですか?

下森さん

実は、当時の私はいわゆる“モラトリアム人間”でした。就活をする時期になっても、自分が仕事として何をしたいのか、何を軸に生きていけば良いのかが、はっきりしていませんでした。

そこで、自主退学期間中に色々と人生経験を積んだ上で自分の方向性を決めたいと考え、剱岳や赤石岳などの山小屋で住み込みのアルバイトをしながら旅費を稼ぎ、旅費が溜まったらトルコやモロッコ、スペインなどの海外諸国を旅するバックパッカー生活を送っていました。

編集部

自分探しの旅ですね。

下森さん

視野と見聞は広がったと思いますが、結局、一旦東京で就職することを決めました。横河電機株式会社という、工業計器や工場の監視・制御システムなどを作る会社に就職し、海外事業部のマーケティングセンターという部署で海外販路開拓や市場・競合他社分析に関する仕事を主に行っておりました。

自分には海外経験もあったので、会社としてはゆくゆく海外営業の仕事をせたいと思っていたのかもしれませんが、そんな期待とは裏腹に約3年で退職し、地元の北海道に戻ることを決断しました。

編集部

工業計器等の市場で日本シェアNo.1の安定した会社を約3年でやめてしまうとは、大きな決断ですね。

下森さん

確かに「もったいない」と思う部分もあったのですが、上京した当時から「都会での暮らしは自分には合わない」と感じており、「いつか地元の北海道に戻って、豊かな自然の中で暮らしたい」という強い思いがありました。

その当時、自分が最も理想的と思っていたのは、いわゆるSOHOやノマドワーカーという働き方です。人や時間、場所などに制約を受けず、自然豊かな環境の中で自分の裁量・ペースで働きたいと思う気持ちがあり、それを実現するためには、都会の東京よりも田舎の北海道の方が将来的な実現可能性が高いと感じていました。

※“SOHO“とは、パソコンなどの情報通信機器を利用して、小さなオフィスや自宅などでビジネスを行っている事業者のことを指します。

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北海道へJターン、一度は公務員に。

下森さんは、憧れていたノマドワーカーのような働き方をするため、東京の企業で約3年働いた後、退職し、ノマドの場所をふるさと北海道に選んだわけですが……。

編集部

退職後は、すぐに北海道に戻られたんですね?

下森さん

いえ。これまた色々と紆余曲折がありまして、その後はニュージーランド南島で約3ヶ月間、放浪の旅をしておりました。その間は、ひたすらトラウトフィッシングに勤しんでいました。

編集部

また放浪ですか!タイトルの釣りの話が出てきたので、続けてください。

下森さん

はい。もともと父親や周囲の友人の影響もあり、自分にとっては幼い頃から「釣り」が日常の遊びの一つでした。

休日になったら、自転車に乗って十勝港や近郊河川に行き、夢中になって魚釣りをするのが子どもの頃の日課のようなものでした。その頃の経験が、今の仕事の原点になっていると思います。

編集部

子どもの頃から釣り好きだったんですね。それはさておき、なぜ北海道を選びながら県庁所在地の札幌市でも、地元広尾町でもない帯広を選ばれたのですか?

下森さん

そうですね。北海道へ帰った後は、広尾町と同じ十勝の中心都市・帯広市役所に就職しました。実はここで約10年間働くことになるんです。帯広市では、生活保護のケースワーカーや教育委員会、公園緑地関係の仕事など、様々な経験をさせていただきました。

編集部

ノマドワーカーにはならなかったのですね。ニュージーランドに行ったかと思えば、日本に帰ってからは公務員に就職する。下森さんが大胆なのか堅実なのかわからなくなってきました。

下森さん

ちなみに、公務員就職は両親からは反対されました。「海外でプラプラしている貴方には絶対に向いてない と。確かに、公務員という真面目で堅実な仕事が自分に向いていないことは、自分自身でも十分よく分かっていたのですが、自分に向いてないことに対して努力をすれば、人間として多少なりとも成長できるのではないかと思ったんですよね。実際、色々な経験もしましたし、こうやって自分で事業を立ち上げる時になって、自治体のお金の流れや意思決定の仕組みを知っているということは、今の仕事に非常に役立っていると思います

編集部

なるほど。人生での経験全てが、今の下森さんの糧になっていますね!

下森さん

まさにそうなんです。

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公務員をしながら、十勝のフライフィッシングの魅力を発信し続けた!

帯広市役所の職員として働いていた下森さん。自分の求める働き方を目指すために、公務員をしながら行動を起こしていきました。

編集部

帯広市役所で働いていた時期も、自分の求める働き方を目指していたんですか?

下森さん

そうですね。いつかは自然の中で、自分の裁量・ペースで働きたいという思いは強く残っていたので、その思いを実現するために現実的にできることから、地道にひとつずつやっていこうという気持ちでいました。

編集部

具体的にはどのような行動を起こしてきましたか?

下森さん

当時から、将来的にはアウトドアやトラウトフィッシングに関わる仕事をしたいなと考えていました。そこで、自分の将来の仕事の基盤となるネットワークを構築し、認知度を向上させる目的で、InstagramなどのSNSを通じて北海道の自然やトラウトフィッシングに関する画像を投稿し、情報発信していくことにしました。

編集部

Instagramを拝見しましたが、どれもきれいな写真ばかりで、目が潤いますね!イワナやニジマスの色合いもとても幻想的で、「これが北海道の自然だぞ!」という思いがひしひしと伝わってきます!

下森さん

ありがとうございます。実は北海道・十勝は日本国内有数のトラウトフィッシングスポットとして人気があり、中でも特にレインボートラウトの美しさは、日本国内でもNo.1なのではないかと思っています。近年では、日本国内のみならず、海外の熱狂的な釣り人からも大きな注目を集めているほどです。

編集部

そうなんですか!トラウトというと、北米のイメージが強かったんですが、こんな身近に聖地があるとは知りませんでした。
確かに、下森さんのInstagramでは海外の人のコメントも多いですね。

下森さん

お陰様で、海外からのアクセスも多く、現在5万5000人までフォロワーが増えて来ました。
これで、国内外である程度の認知度を得ることができ、様々な業界関係者ともネットワークが確立できたので、ビジネスとして自分のやりたいことを実現できる基盤が整いつつあると思います。

編集部

5万5000人ですか?!ノベルズウェーヴももっと頑張らなくては!

下森さん

がんばってください。ある程度、ビジネスへ転換できると感じた後、奥さんの了承を得て、2021年に公務員をやめて、自分の足で生きていく決意をしました。

編集部

21年!まだまだコロナ真っ只中でその決断をするなんてびっくりです。奥様の支えと理解が素晴らしいですね。

下森さん

本当ですね。感謝しています。

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フライフィッシングの魅力を通じて、北海道十勝に貢献していきたい。

Instagramで5万5000人ものフォロワーを獲得し、ビジネスの基盤を着実に構築した下森さん。フライフィッシングガイドのお仕事を中心に、これからようやく自分の望んだ働き方を実践していきます。

編集部

そろそろ、今のお仕事について話をお願いします。

下森さん

はい。現在は2つの大きな仕事をしておりまして、Redband Artworksという自分で立ち上げた事業でトラウトフィッシングガイド・フォトグラファーとして活動をする傍ら、デスティネーション十勝という企業に携わりながら、フィッシングコンテンツの企画・立案等に関するアドバイザーをしております。

編集部

まずはRedband Artworksについてお聞きしてもよろしいですか。

下森さん

基本的にはInstagramやホームページを見ていただければわかると思いますが、十勝のアウトドアやトラウトフィッシングに関する情報発信、写真掲載、ガイドツアー等を企画運営しております。

ガイドは私自身がひとりで行っております。釣れる魚は、レインボートラウトを中心に、ブラウントラウト、イワナ、オショロコマ、ヤマメなどです。2022年現在、ガイドサービスは5つご用意しておりまして、ビギナーからベテランの方まで、お客様のレベルに応じて幅広くお楽しみいただける内容となっております。なお、現在のガイドサービスに関する内容や料金等については、今冬に大幅な見直しを予定しております。

編集部

そんなにいろんな魚が釣れるんですね。

下森さん

フライフィッシングというのはじつは結構奥深くて、しっかりと自然観察を行い、その川にいる魚の特徴や食性を理解していないと思うようには釣れないんです。

フライ(疑似餌)は自分で作るのですが、特に長年生きて賢くなった大きな鱒は、フライのパターンやアプローチのタイミングが合わないと全く食いついてくれません。

でも、自分の考えたフライとフィッシング技術で大物を釣り上げたときの感動はひとしおです。そこには一種のゲーム性があると思っています。

編集部

なんだか話を聞いていると自分もやりたくなってきちゃいました。

下森さん

ハマると面白いですよ。

編集部

デスティネーション十勝についても、もう少し詳しくご説明頂いてもいいですか?

下森さん

デスティネーション十勝とは、「十勝をアウトドアの聖地に」を目標として掲げ

① 十勝のアウトドア観光の戦略の立案並びに諸団体と連携し地域の合意を図りながら地域ブランドの醸成
② 魅力あるアウトドア観光のデスティネーションの創出
③ ガイドをはじめとするアウトドア人材の育成
④ 十勝をアウトドアのメッカとして世界発信するプラットフォームの実現

を行っている会社です。私はそこのアドバイサーという役目で関わらせていただいております。

編集部

ありがとうございます。十勝のアウドドア普及の貢献にも一役買っているわけですね。
そしてついに、十勝の自然の中で、自分なりの働き方を実現しましたね。

下森さん

そうなんです。Instagramを地道に続けてきた甲斐がありました。

編集部

今、長年の思いを成就したわけですが、今後の目標といったものはありますか?

下森さん

基本的にやりたいことのベースは変わらないのですが、北海道十勝の課題として、ガイドの安定的な収入、価値向上を図るとともに、将来的にはアウトドアやトラウトフィッシングに関わる仕事をひとつのビジネスモデルとして確立させ、普及させていきたいです。

編集部

なるほど。デスティネーション十勝さんと下森さんの方向性が合っているので、アドバイサーをしているということですね。

下森さん

はい。また、今の十勝は釣りのフィールドとしての人気は非常にありますが、例えば、札幌から十勝に釣りに来ても、車中泊をしたり、コンビニなどでの簡単な食事に落ち着いたりして、十勝への観光面での経済効果があまり実感できない状況です。

編集部

需要があって人は来るけど、地域への貢献までには届いてないんですね。

下森さん

そうなんです。そこで、例えば私のInstagramなどを通じて、地域の美味しい飲食店やホテルを紹介するなど、SNSを通じて交流人口の増加を促せば、十勝地方は経済面・観光面でもっと活気づくはずです。

十勝管内の多様なアウトドア関係の会社や事業者に声を掛けて事業連携を企画し、十勝全体のアウトドアの魅力として発信していく、というやり方も面白いと思っています。

「釣り人が増えることで地域が潤う」といこうとを、啓蒙活動も含めて証明していきたいと思っています。

編集部

熱い想いがビリビリ伝わってきます。
“十勝に行きたい釣り人”と“受け入れ側の十勝地方”が両方win winになるのが最高ですね。

下森さんは海外バックパッカー、会社員、公務員など紆余曲折を経ながらも、自分の信念がブレず、努力し続けた先に今のフィッシングガイドという仕事がありました。

下森さんに負けず、ノベルズウェーヴ編集部も十勝の魅力や酪農の魅力を皆さんに伝えたい!という思いでブレずに努力していきます!

自然の魅力あふれる十勝にみなさんもどうぞ訪れて見てはいかがですか?

【Redband Artworks】
https://rainbow-hunting.com/

【デスティネーション十勝】
https://destination-tokachi.jp/index.html

【下森さんInstagram】
https://www.instagram.com/rainbowhuntingphotography/

Redband Artworks代表取締役 | フィッシングガイド アウトドアアドバイサー
名前:下森 雅文 北海道広尾町出身

北海道広尾町出身。函館ラ・サール高校卒業後、国際基督教大学に進学。大学生時代に約1年半の海外バックパッカーを経験。大学卒業後は、横河電機株式会社に就職し、海外事業部に配属。約3年で退職。その後、ニュージーランドで約3か月間のトラウトフィッシングを経験後、北海道帯広市へJターン。帯広市役所に約10年間勤務の後、独立。現在Redband Artworks代表を務め、十勝のアウトドア・トラウトフィッシングの魅力を発信、ガイドも行っている。また、フィッシングコンテンツを企画・立案するアドバイサーとしてデスティネーション十勝の業務にも従事し、十勝をアウトドアの聖地にすべく、アウトドア・トラウトフィッシングの魅力発信や、フィッシングガイドの価値向上のために尽力している。

牧場で働くなら、ノベルズでチャレンジ!

創業以来、北海道・十勝を拠点に、持続可能な農業経営を追求しているノベルズグループでは、現在、酪農牧場、肉牛牧場(肥育牧場、育成牧場)で正社員を募集しています。北海道内で12牧場、山形県(酒田市、最上町)で3牧場を経営しており、各牧場では異業種&移住転職を果たした仲間が、数多く活躍しています。業界未経験の方、移住先での仕事の選択肢を検討中の方は、気軽にご相談ください。「ノベルズウェーブ」ではそんな皆さんに役立つ情報を提供するほか、「ノベルズグループ採用サイト」では、現在募集中の求人情報を紹介していますので、併せてご参照ください。

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