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牧場にも「違い」がある?牧場の仕事を徹底解説
酪農を知る
公開日:2023年5月18日

牧場にも「違い」がある?牧場の仕事を徹底解説

牧場と聞けば思い浮かぶのは一面の原っぱだったり、そこでのびのびと生活する動物たちだったり、そんなところではないでしょうか?しかし、牧場の仕事って具体的にどういうものなの?と聞かれると返答に困ってしまう方も多いのではないでしょうか。そこで今回は牧場での仕事について種別に紹介していきたいと思います。

目次

牧場にも「種類」があります

まず一般的に牧場とは、ウシやウマなどの家畜を飼養しており、家畜がある程度自由に動き回れるよう、ある程度の広さのある柵で囲った放牧場がある施設のことを指します。しかし、ひと口に牧場といっても、牧場を用途別に見ると種畜の育成・供給をする種畜牧場、実用種の育成・供給販売をする生産牧場、発育期の家畜の委託管理育成をする育成牧場、観光牧場という、観光客向けのサービスを提供する牧場を指すものがあります

しかしこういった区分けは多くの人にとってはあまりなじみのないものでしょう。ですから、おそらくはそこで飼われている「動物の種類」によって、なんとなく分けられているものとして考えてもらうのがわかりやすいかなと思います。そこで、ここからは、そうした種類に分けてそれぞれの牧場での一日を紹介していきたいと思います。

酪農牧場の一日

はじめに、おそらくもっともベーシックで想像のつきやすい「酪農牧場」から紹介していきます。まず牧場に共通する仕事の特徴として、朝がとても早いです。多くの牧場では、朝の5時頃に起床をして、朝食前に業務を開始します。そこから、6時頃に牛舎の掃除やエサやりをおこない、朝食をとったのち9時に搾乳が行われます。10時からは子牛の世話(哺乳、エサやりなど)と牛舎の掃除をし、11時からやっとお昼休みになります。この間にタンクローリーが到着し、集乳作業が行われますが、基本的に昼休みは長く、夕方までとなります。16時半から再び作業開始し、牛舎の掃除、エサやり、寝藁(牛の寝床)を敷くなどの作業。夕食ののち、18時に再び搾乳、子牛の世話、牛舎の掃除を行って、20時半ごろにその日一日の作業が終了となります。

これだけでも十分大変そうなものですが、酪農の仕事で重要なのは「牛の体調管理」です。

牛は当然のことながら動物ですから、食べているエサの量などから毎日牛の体調をチェックしながら、それに合わせた対応をとっていかなければなりません。また、それ以外にも牛舎の汚れは病気の原因につながるため、毎日の掃除も欠かせません。また上に書いたこと以外にも、機械のメンテナンスや堆肥作り、牧草の育成、放牧をおこなうこともあるほか、牛の病気や出産などで突発的な対応事項が起こったときには、時間にかかわりなく対応しなければなりません。そのため、酪農の仕事は何よりも「年中無休 の職業なのです。

肉牛牧場のあれこれ

つぎに、肉牛の生産をおこなう肉牛牧場についてです。基本的な流れは酪農と同じですが、肉牛経営においては特に、「繁殖経営」と「肥育経営」に分かれます。繁殖経営は、母牛に子牛を産ませて一定期間育てた後、その子牛を販売して売り上げを立てる経営であり、こちらも酪農と同じく、母牛や子牛を病気にさせないための管理能力が問われます。肥育経営は、繁殖経営の農家が育てた「肥育素牛(もとうし)」を購入して一定期間育て、食肉としての価値を高める飼養管理を行う経営となります。他にも、子牛をある程度まで育てる「育成経営」もあります。

酪農と違う点は、肉質や肉量を向上させるための知識や技術が求められることです。特に和牛の場合、「サシ」を入れるための餌の管理が腕の見せどころとなり、こうした技術はそれぞれの農家が独自のものを持つと言われています。また、酪農でも立ち会うことになる牛の一生ですが、肉牛のほうは食肉になっていく牛たちを見送らなければなりません。ですから、牛たちをどのように育てることで、食肉としての価値をいかに高められるかに心血が注がれていると言えるでしょう。

ちなみにノベルズグループでは、「繁殖~育成~肥育」の3つの経営を全て網羅しています。一般的な牧場では3つの内どこかのジャンルに特化しているのが普通です。ノベルズは部門ごとに専門性を持ったスペシャリストを要し、和牛が誕生したその瞬間から市場性に合った理想的な肉牛を出荷できるよう、グループ全体で一貫した肥育管理を行っています。2022年には、「誕生~出荷の全ての期間をノベルズで飼養された和牛」の中から、「肉質等級4以上」の評価を得た枝肉を「玆」(げん)と命名し、自社ブランドとして発信しています。今までは把握が困難だった、子牛の飼養管理や、更には出産前のお母さん牛の飼養管理に至るまで、超一貫肥育によって、新たな視点から食肉の価値を高めていくことができるのがノベルズグループの強みと言えるのかもしれません。

馬牧場の一日

最後は馬の牧場についての紹介です。馬といえば競走馬ですよね。こちらは主に育成牧場というくくりの中で、サラブレットを競走馬になるべく訓練し、成長させることが目的となります。サラブレッドといっても、生まれてすぐに人を乗せて走れるわけでは全くなく、まずは1歳馬に、鞍をつけ人を乗せるという基本を馴致することから始め、競走馬として速く走るというところまで段階を追って訓練していく中で、サラブレッドが持つ競走馬としての能力を引きだしていきます。

馬牧場もやはり朝が早く、5時から6時の間に馬の運動時間を考慮に入れて、早めの給餌をします。このとき、きちんと食べるか、調子の悪い馬がいないかなどを確認します。続いて7時からは放牧、8時からは騎乗調教前後のウォーミングアップ、クーリングダウンや軽めの運動として、ウォーキングマシンに乗せられます。その後馬房の掃除を行い、10時から12時まで調教を行っていきます

ここでは騎乗調教によって、競馬場やトレーニングセンターに入っても耐えられる体力づくりを行います。昼休みのあと、15時から集牧、馬体の手入れを行い、16時と19時にそれぞれ給餌をして作業終了となります。馬の管理において大切なのは、何より馬を訓練し成長させること。そのため、酪農や肉牛とはまた違った意味で、動物たちとの対話が必要となってきます。

このように、牧場での仕事は朝が早いだけではなく、動物を相手にすることで生じる、様々な困難に対して適切に対応していかなければならない大変な職業です。さらに言えば、動物たちは我々人間よりも何倍も強い力を持っていますから、彼らと向き合うためには優れた観察眼や豊富な知識のほかにも、体力や強靭な身体が必要となってきます。ですから、みなさんもどうか、そうした努力や試行錯誤の上に、食卓に様々な食材が並んだり、胸躍るような体験ができたりしているということに思いを馳せてみていただきたいと思います。

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創業以来、北海道・十勝を拠点に、持続可能な農業経営を追求しているノベルズグループでは、現在、酪農牧場、肉牛牧場(肥育牧場、育成牧場)で正社員を募集しています。北海道内で12牧場、山形県(酒田市、最上町)で3牧場を経営しており、各牧場では異業種&移住転職を果たした仲間が、数多く活躍しています。業界未経験の方、移住先での仕事の選択肢を検討中の方は、気軽にご相談ください。「ノベルズウェーブ」ではそんな皆さんに役立つ情報を提供するほか、「ノベルズグループ採用サイト」では、現在募集中の求人情報を紹介していますので、併せてご参照ください。

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