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田舎暮らしと仕事。北海道移住で就きやすい仕事を解説
移住の豆知識
公開日:2022年6月13日

田舎暮らしと仕事。北海道移住で就きやすい仕事を解説

これまでも潜在的にあった「田舎暮らし」を求める需要が、リモートワークやワーケーションといった働き方の多様化で顕在化。都内の相談窓口には、連日多くの移住希望者から問い合わせが届くといいます。中でも、最も多い相談が「これまでのキャリアを生かしたい」という「仕事への不安」。今回は、田舎でできる仕事や選択肢についてご紹介します。

目次

田舎暮らしの「仕事がない」は間違い!

昨今、テレビや雑誌・新聞など主要メディアは、「田舎暮らし」「移住」をテーマにした番組や特集を組むことが多くなりました。それもそのはず、2021年には東京23区で初めて「転出超過」となり、転出者数が転入者数を1万4828人も上回り、東京一極集中に終わりが訪れたからです。東京・有楽町にあるNPO「ふるさと回帰支援センター」によれば、21年の地方移住相談件数は、約5万件と過去最高を更新。空前の“移住ブーム”が起こっているそう。

ただし、移住を叶えるためにはいくつかのハードルもあります。その中で最も高い障壁が「仕事」。

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都内で大手不動産会社に勤めるAさんは「これまで都心部の大型再開発事業に携わってきました。田舎暮らしをするには、地方の不動産開発会社を考えましたが、求人情報サイトに載っているのは不動産仲介や住宅販売ばかり」と仕事がみつからないと嘆きます。

また、都内映像編集会社で働くBさんも「北海道に住む従兄弟に聞くと『地方は朝と夕方の情報番組くらいしかなく、テレビの仕事なんてほとんどないよ』と言われました」と半ば諦め気味です。

果たして、ほんとうに田舎には仕事がないのでしょうか。

大手人材紹介会社の北海道支社で働くCさんに聞くと「首都圏と比べると仕事が少ないのは確かです。全国展開している会社の本社は東京ですし、飲食店や美容・教育などあらゆるサービス業も人口の多い都心部に集まります。芸能事務所や映像制作会社も東京に拠点があることで仕事に繋がりやすいので、わざわざ田舎に店舗や支店を構える必要はありません」と至極当然な回答が返ってきました。

「やはり田舎に仕事はないのか」と諦めていると、前出の人材紹介会社Cさんは、こう付け加えてくれました。

「田舎は仕事がないわけではありません。もちろん、求人件数は少ないですし、仕事の業種も限られますが、人手不足は都会よりも顕著なので、ご自身のこれまでの経験を棚卸しすれば、活躍できる業種はみつかります」(同)

Cさんが言うとおり、地方は慢性的な人材不足が続いています。中でも、農業王国と呼ばれ、不況・不景気もなんのその、過去数年にわたって基幹産業である農業生産額の過去最高益を続ける北海道十勝が抱える最大の課題も人材不足。

地元紙「十勝毎日新聞社」によれば、十勝の中小企業の人手不足数は、全国平均に比べ約20ポイント高い58%を占めたそうです。ある製造業を営む社長は「農業関連が好調で業績は上がり続けています。設備投資や新事業を立ち上げる機運も高まっているのですが、それを担う人材がいません。首都圏から経験者を募集していますが、なかなか集まりません」と話します。

つまり、田舎暮らしを希望する首都圏在住者の多くは「地方には仕事がない」と最初から諦める一方で、一度は探すものの、自分が働いている業界のみを検索するため、異なる業界で求められている「自身の経験を生かせる仕事」に出会っていないのです。

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田舎暮らしで就きやすい仕事

田舎に仕事はあります。ではどういった経験者が求められているのかを紹介します。

インターネット環境があればできる仕事

インターネット環境の普及は、ノマドワーカー(※)と呼ばれるノートパソコンや携帯端末等を用いて、オフィス以外の場所で働きける人たちを生みました。

※「nomad(ノマド) 」は英語で「遊牧民」ですが、それに「労働者」を意味する「worker(ワーカー)」を組み合せた造語です。

今やWi-Fi環境は世界中にあります。スターバックスやマクドナルドといったカフェや飲食店のほか、コワーキングスペース、シェアオフィス、図書館などなど。田舎にも、移住者施策の取り組みとして、コワーキングスペースを設置・運営する自治体も増えています。

ノマドワーカーで有名な職業としては、文章を執筆するライター、イラスト・Webデザイン・ロゴやポスター、漫画家といったデザイナーやクリエイター業の方が多いですね。その他、システムエンジニア、アプリ開発、Web制作といったIT関係も場所にこだわらずに働ける職業です。

最近では、経営者を補佐するスケジュール管理・打ち合わせや接待用の店・移動や宿泊先の予約などを請け負う秘書代行業務、プロジェクトの進捗や人を管理するプロジェクトマネージャーといった業務も、リモートで可能ですし、あるいはアウトソーシングする企業も増えています。

上記のような業務は、「クラウドワークス」「ランサーズ」「ココナラ」といった仕事を発注または請け負えるクラウドソーシングサービスの存在のおかげで、田舎暮らしを実現させる追い風となっています。

農業・林業・漁業などの一次産業

特に「食」を支える農業と漁業は国の保護産業ですが、担い手や後継者不足による人手不足が最大の課題です。一方で、ロボットやIT技術による機械システムの導入による自動化も進み、現場作業の効率化が図られ、一昔前の「朝から晩まで体力勝負で働けども儲からず」というイメージから脱却しはじめています。

作業の効率化に加えて、生産物のブランド化(付加価値)や新商品(加工)開発による付加価値で新たな収益を生み出している生産者も増えています。

例えば、一次産業の未経験者であっても、製造業での自動化や流通マーケティング・PR・広報の経験があれば、大規模化が進む農業法人への転職で生かせます。

もちろん、自ら就農するのもいいでしょう。地方では新規就農支援制度が整っていますので、未経験者であってもサポートを受けられ、現場の効率化や販売戦略上でこれまでの経験を生かすことで儲かる農業(一次産業)も夢ではありません。

高齢化社会を支える医療・介護

御存知のとおり、日本の高齢化率は世界トップレベル。内閣府によれば、2018年の地域別の高齢化率(人口に対する65歳以上の割合)は、最も高い秋田県で36.4%、北海道でも31.3%と全国の多くの道県で3割以上が65歳以上となっております。特に田舎へ行くほど高齢者の割合は高く、医療・介護の必要な人が多くいるため、医療や介護関連の仕事がなくなることはありません。

一方で、高齢化は健康志向が高いことを意味し、シニアフィットネスの需要もあり、スポーツトレーナーや理学療法士のほか、スポーツ経験を生かせる健康関連の仕事が増えているそう。

地方で成長する会社を牽引するマネジメント層

東京から比べれば、山奥の集落から数十万人が住む地方都市も田舎です。後者であれば、企業体の数も多く首都圏で働いてきた業種の仕事もあるはず。そこには、新たなチャンスがあるんです。

振り返れば、バブル崩壊後の不景気が続いた1990年代~2000年前半までの就職氷河期に大学を卒業した人たちは、現在40代。本来であれば企業の中堅や経営者層といった会社を牽引する立場となっている世代です。ところが、大量の非正規雇用者や失業者を生んだ就職氷河期の世代は、正社員として働けず、派遣や契約のまま、現在に至っている人も多いのです。

そこで起きているのが、企業のマネジメント層不足です。本来であれば会社を牽引する世代が前述の理由で少なく、人材層がぽっかりと空いてしまっているのです。マネジメント層の不足は地方の企業においても同様です。首都圏のチームリーダーやプロジェクトマネージャーのほか、部署・部門長の経験者を欲しがる地方企業は多いんです。

起業や事業継承という未来も

田舎にはあなたの経験が生かせる仕事があります。ですが、全てが転職(会社勤め)というわけでもありません。田舎において、自らの経験を生かせる分野が見つかれば、自ずと都会にあって地方にはないサービスや業種が見えてくるはず。

例えば、ブランド化した生産品を「商品は作ったが、どう売れば良いのだろう」とマーケティング分野で困っている生産者の方は多い。一つの企業(農業生産法人)で活躍するという手段もありますが、地域の農業生産法人全体のためにマーケティング能力を発揮することもできるかもしれません。そうなれば、マーケティング会社を立ち上げ、地域を活性化する側に立つこともできますね。

他にも、地方には後継者不足に悩む会社やサービス業を営む経営者もいます。最近では老舗和菓子店や旅館を後継して、復活させるという話が跡を絶ちません。検索すれば多くの前例が出てくるので、先ずは情報収集からはじめましょう。

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田舎での仕事を探す方法

田舎暮しをするための仕事があることはわかりました。ご自身が知る業界だけにとらわれず、角度を変えて見ることで経験を生かせる仕事は見つかるし、あなたを求める地方は必ずあります。あとは、互いにWin-Winとなる会社や仕事と繋がるかです。

そこで、先ずはU・I・Jターン向けの転職サイトや自治体サイトを調べることから始めましょう。田舎暮しの希望者で多いのが、生まれ育った地元へ戻る「Uターン」です。そして、都心で生まれ育ち、働いていた人が地方へ移住する「Iターン」。生まれ育った故郷から進学や就職で都会に移住した後、故郷に近い地方都市に移住するのが「Jターン」です。

最近では、U・I・Jターンに特化して、検索できる転職サイトが増えてきています。

また、すでに「北海道」「沖縄」といった移住希望先が決まっていれば、希望する自治体サイトを覗いてください。自治体サイトの良さは、その地域限定の移住者向けの支援制度や助成金の情報が網羅されている点です。

その他、「移動体験ツアー」「ちょっと暮らし」といった現場を体験できるツアーや期間に合わせて移住ができる施策もあり、自治体によっては、体験費用や旅費の一部を負担してくれたりもするので先ずは調べてみましょう。

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田舎で仕事を選ぶために先ず決めること

「田舎暮らしで仕事は見つかります」と解説してきましたが、仕事の次に考えなくてはいけないのが「お金」です。冒頭に登場した大手不動産会社に勤めるAさんは「同じ不動産会社を見つけても年収が現在の半分以下になるんです」と話し、同じく都内映像編集会社で働くBさんも「年収が大幅に下がります」と田舎暮しに二の足を踏む理由を挙げます。

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によれば、東京都の平均年収が620.4万円に対して北海道は446.8万円と、その差は約180万円。収入減は、家族世帯にとって大きな痛手だし、これは田舎暮しへの黄色信号。これでは「田舎暮しは断念か」と思いきや、過去記事をご覧ください。年収減も何のその!明るい光が差し込むことでしょう。

40代の田舎暮らし、仕事は?家族は?転職して移住したリアルとは

東京と北海道では給与のみならず、生活水準も違います。帯広市の平均年収(総務省数値から算出)は約300万円。上記リンクの過去記事に登場した40代で都内から家族3人で北海道帯広市へ移住したAさん家族は、東京時代、月の家賃が16万円の都内23区の2LDK(75平米)に住み、娘さんの私立幼稚園費は毎月10万円弱かかっていました。

一方で、帯広市の2LDK(75平米)の家賃相場は5-8万円と東京の半額から3分の1程度、幼稚園費は無償ですから、約20万円(年間240万円)の固定費を削減できたそうです。

何を言いたかと申しますと、「年収が下がっても生活はできます」も然ることながら、田舎暮しを検討する際には、「生活スタイル」を決めてから生活費を試算することが大切なのです。すなわち仕事だけを考えるのであれば、都心部に残った方がいいわけで、「田舎暮らしをしたい」という裏には、「自然に囲まれてゆったりと過ごしたい」「ストレスフリーになりたい」「アウトドア三昧でプライベートを充実させたい」といった理由があるからです。

先ずは、どんな生活をしていきたいかを決めることで、生活費はガラリと変わるはずです。

田舎暮らしは、ここでしかできない体験にあふれている。人の少ない十勝に不便さはない~写真家・岩崎量示さん 田舎暮らしがきらいだった少年時代。故郷・十勝に見つけた、ここだけの自然体験。~ジュエリーアイスの名付け親 浦島久さん

田舎で仕事を決める前にすること

今回は、憧れの田舎暮らしを実現するための「仕事」について解説しました。田舎には、あなたの経験を生かせる仕事が必ずあります。一方で、「思っていた仕事と違った」「雪かきや寒さなど生活環境が厳しい」など、仕事のミスマッチングや、実際に暮らしてみなければ見えてこないリスクがあるのも確かです。だからこそ、情報収集をした後に、現地へ赴いて生活環境を確認(北海道ならば夏冬2回)したり、現地の自治体の移住促進担当に相談することをおすすめいたします。

牧場で働くなら、ノベルズでチャレンジ!

創業以来、北海道・十勝を拠点に、持続可能な農業経営を追求しているノベルズグループでは、現在、酪農牧場、肉牛牧場(肥育牧場、育成牧場)で正社員を募集しています。北海道内で12牧場、山形県(酒田市、最上町)で3牧場を経営しており、各牧場では異業種&移住転職を果たした仲間が、数多く活躍しています。業界未経験の方、移住先での仕事の選択肢を検討中の方は、気軽にご相談ください。「ノベルズウェーブ」ではそんな皆さんに役立つ情報を提供するほか、「ノベルズグループ採用サイト」では、現在募集中の求人情報を紹介していますので、併せてご参照ください。

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