農業機械整備士という職業、ご存じですか?
現代農業に欠かせないのが、頼りになる農業機械。しかし、その機械が故障したりメンテナンスが必要になった場合、誰が修理や整備を担当するのでしょうか?それが「農業機械整備士」という専門職です。農業機械整備士は、農業機械の修理や点検、メンテナンスを専門に行う技術者です。彼らの存在は、農業現場のスムーズな作業を支え、農業生産性の向上に寄与しています。この記事では、農業機械整備士の役割やスキル、そしてその重要性について探っていきましょう。
農業機械士と農業機械整備士の違い
現代的な農業に欠かせないのは、トラクターやコンバインなどの農業機械です。では、修理に関する「資格」である農業機械士と農業機械整備技能士をご存じでしょうか?
まず、「農業機械士」の資格は、取得することで農業機械に関する安全知識はもちろん、農作業で使用する農業機械のメンテナンスや修理についての知識を身に着けられます。
一方で、「農業機械整備技能士」は、農業機械の整備能力を認定するための「国家資格」であり、より資格としての側面が強く、さまざまな仕事に活かすことができます。1級と2級の等級があり、それぞれ上級技能者、中級技能者が通常有すべき技能の程度と位置づけられています。
農業機械整備士の仕事内容とは
農業機械整備士は、お客さんが使用する農業機械のメンテナンスが主な仕事となります。顧客は個々の農家さんたちから、より規模の大きな集落営農組織や農業生産法人など様々であり、取り扱う農業機械も小規模農業向けから大規模生産向けのものまで様々です。
またメンテナンスの工程も、整備工場に引き上げておこなう大掛かりな整備や現場での応急整備と様々な形のものがあります。
そのほかにも、細かく言えば農業機械整備を行うための機械の点検・調整・分解・組立てや、試運転・機構試験、工数見積りなども仕事内容になります。農業機械にかかわることであればなんでもやってしまう、農業機械のエキスパートなのですね。
農業機械整備士になるためには
農業機械整備士になるためには、上述のように資格を取る必要があります。農業機械整備士の資格は都道府県職業能力開発協会という機関が実施しており、各都道府県で受け付けてもらうことができます。
検定は、学科と実技に分かれており、学科試験では、専門である農業機械はもちろん、材料・機械要素・製図・農業一般・関連基礎知識・安全衛生と、専門に関する深い知識と専門に伴う幅広い知識の両方が求められます。実技試験は作業試験とペーパーテストに分かれており、作業試験は、農業トラクターの点検整備、電気系統・油圧系統の点検などについて行われ、ペーパーテストは、電気溶接など実技試験の実施が困難な内容のものについて行われます。
さて、気になる難易度ですが、試験の合格率は1級・2級ともに例年50%を超えているため、資格試験としての難易度は低めと言えるかもしれません。しかし、受験対策ではテキストの内容を理解するだけではなく、日頃の実務の理解が不可欠となります。テキストや過去問とあわせて実際の業務や業務の専門書から知識と技能を習得しておくことが必要となります。また技能検定は一般的に言って、普段の業務の中では出会わない材料や、得られない知識も出てくるので、講習会に参加したり過去問を解いたりすることでそうした知識を身につけなければなりません。
学科試験は独学でも合格できますが、実技試験は受験者に機械整備の実務経験があるかどうかが大きくかかわってきます。ただ実務経験と言っても正しい整備の実技手順を身につけていなければなりません。受験資格にも、職業訓練歴、学歴、実務経験の有無などで違いが出てくるので、自分の経歴と照らし合わせてみることが必要です。働きながら資格取得の支援をしてくれる会社なども多くあるので、まずは求人を探してみるのもいいかもしれません。
また、農業機械整備技能検定の受検者のための参考図書として「受検の手引」と「学科試験例題集」というものが「全国農業機械商業協同組合連合会」という機関に所属していれば購入することができます。こちらは予約販売となっており、各都道府県の関連機関で申し込むことができるようになっています。そのほかにも、過去問が一般販売されているので、こちらも入手しておきましょう。
農業機械整備士の就職先は?
農業機械整備士の資格は、農業をする上でも役には立ちますが、基本的には農機具メーカーや農機・建機の買取・修理などの仕事で活躍します。また、前述したように、実務経験が必要になるので、農機具メーカーや農機・建機の買取・修理に関する会社に就職してから、会社に支援してもらいつつ資格取得を目指すパターンが多くみられます。農業機械の使用は、もちろん畑作や稲作だけではありません。牧場を運営する畜産でも使用されます。大規模に肉牛・酪農事業を展開するノベルズグループでも、毎日飼養管理を行い、数多くの農業機械が稼働しているため、自社牧場の持続的な運営のために、農業機械整備スタッフの活躍、サポートが欠かせません。そのため、現在、社内専門の農業機械整備スタッフを募集しています。
[採用情報]農機整備スタッフ(リーダー候補)農業機械整備士のやりがいは?
皆さんご存じのとおり、昨今の農業機械の分野は、大型化と自動制御化が進んでおり、それに対応して農業機械の安全性の確保と効率的利用のため、より高度な整備修理技能が求められてきています。そのような状況の中で、整備修理のプロフェッショナルとして、農業機械整備士が果たすべき役割はますます大きくなってきています。農業機械整備士は現代の農業界でもとても重要視されている資格です。
また、別のところで言うと、青年海外協力隊の隊員募集において、農業機械整備の職種は派遣要請の重要度が高いことが挙げられます。そのため、農業機械整備士の取得は多くの隊員希望者が目標としており、協力隊隊員募集試験の際や、実際に派遣国においての実務の際も、農業機械整備士の資格は高く評価されます。また、開発途上国で非政府組織(NGO)や非営利組織(NPO)としてボランティア活動を行っている農業関係者の方々などにおいても、農業機械整備士の資格や能力は非常に歓迎される傾向にあります。
農業機械整備士の資格は、国内外において様々なありかたで求められているものです。農業という仕事・営みはわれわれ人間にとって必須の項目です。そのような重要な枠組みに、必要とされる形で携われることは大きなやりがいを生むでしょう。少しでも気になった方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
牧場で働くなら、ノベルズでチャレンジ!
創業以来、北海道・十勝を拠点に、持続可能な農業経営を追求しているノベルズグループでは、現在、酪農牧場、肉牛牧場(肥育牧場、育成牧場)で正社員を募集しています。北海道内で12牧場、山形県(酒田市、最上町)で3牧場を経営しており、各牧場では異業種&移住転職を果たした仲間が、数多く活躍しています。業界未経験の方、移住先での仕事の選択肢を検討中の方は、気軽にご相談ください。「ノベルズウェーブ」ではそんな皆さんに役立つ情報を提供するほか、「ノベルズグループ採用サイト」では、現在募集中の求人情報を紹介していますので、併せてご参照ください。
ノベルズの採用情報へ