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畜産と酪農の違いとは?肉牛と乳牛の違いなども含めわかりやすく解説します!
酪農を知る
公開日:2022年1月24日

畜産と酪農の違いとは?肉牛と乳牛の違いなども含めわかりやすく解説します!

中学生で学ぶ「畜産」と「酪農」。似ているようで違いがあります。簡単に言うと、畜産は牛や豚、鶏といった家畜を飼育し、肉や卵を生産するほか、副産物で衣類の素材となる毛皮などを利活用します。一方、酪農は牛を飼って牛乳や乳製品をつくるのが主な仕事です。つまり、畜産の一部門が酪農です。それぞれの特徴や違いを詳しく見ていきましょう。

目次

畜産と酪農は似ているようでまったく違う

◆畜産とは?
家畜を飼育する産業の畜産では、牛や豚、鶏、羊などの動物を育て、食用の肉や卵、乳のほか、副産物の毛皮などを生産しています。農業に分類されており、日本の食などを支える根幹の大事な一次産業が畜産業です。

畜産には、自然の草や水などを求めて家畜と一緒に移動する遊牧型と、牛舎などを設置し、年間を通して同じ場所で飼育する定着型があります。日本では定着型が主流です。牧場では、家畜の飼料となる農作物を自分たちで栽培しているところが多いようです。

食肉を生産する際、肉以外の毛皮や骨、内臓類などは副産物として処理され、さまざまな用途で利用されます。毛皮は洋服やカバンの素材に、牛骨や豚骨は食用エキスなどへの加工やりラーメン店といった飲食店に、内臓類の可食部は焼き肉屋の「ホルモン」に使われるなどしています。

このように畜産では、食用の肉以外の部位なども利用するのが当たり前になっています。動物の大切な命をいただくことに感謝し、できるだけ余すところなく活用する取り組みが長年にわたって進められてきたということですね。

◆人口より牛が多い国も
ここで興味深い話を1つ。畜産がとても盛んな南米のウルグアイは、国内の総人口よりも牛の頭数のほうが多い珍しい国です。1人当たりの牛肉消費量が世界一というのも分かりますね。北海道でも、町の人口よりも牛の数のほうが多い地域があります。一方、農林水産省の統計データによると、牛や豚といった家畜の数は日本の総人口より少ないですが、採卵鶏に限っては国内の飼養羽数が約1億8,092万羽(うち雌が1億4,070万羽)で総人口を上回ります。家畜は人間の食料や所得を生み出し、生活に欠かせない貴重な存在となっています。

酪農は畜産の一部門

次に紹介するのが酪農です。酪農は、主に乳用牛を飼って飲用の牛乳や、チーズやヨーグルト、バターといった乳製品を生産する畜産のことを指します。酪農も農業の分野ではありますが、畜産の一部門ということです。畜産だけど、牛乳や乳製品の生産に特化している農業を酪農と呼んで区別しています。

農水省の統計によれば、国内の乳用牛の飼養戸数は1万3800戸(前年比4.2%減)、飼養頭数は135万6000頭(同0.3%増)、1戸当たりの飼養頭数は98.3頭です。参考までに、肉用牛の飼養戸数は4万2100戸(前年比4.1%減)、飼養頭数は260万5000頭(同2%増)、1戸当たりの飼養頭数は61.9頭。飼育戸数、頭数は肉用牛のほうが多いですが、1戸当たりの頭数は乳用牛が上回っています。

酪農とは?牛乳や乳製品の原料を生産する「酪農」を解説します

◆乳用牛と肉用牛の違い
乳を搾る乳用牛と、食用の肉を生産する肉用牛は種類が異なります。国内の乳用牛は、主にホルスタイン種と呼ばれる牛が使用されています。皆さんがよく知っている白と黒の牛です。

子牛を産んだ雌牛から搾乳して生産されるのが、生乳です。生乳は加熱殺菌処理などが施された後、飲用の牛乳や、バター、チーズ、ヨーグルトといった乳製品の原料になります。

乳用牛1頭が1年間に生産する生乳は、平均約8800キロと言われています。ちなみに、生乳の量を算出する際に使われる単位は、リットルではなくキロです。2019年度の国内の生乳生産量は736万トン。1990年代のピーク時には800万トンを超えていましたが、近年は750万トン前後で推移しています。

国内で飼養されている乳用牛の99%がホルスタイン種です。同種の次に頭数が多いのがジャージー種で約1万頭。乳量は少ないですが、乳脂率が高いのが特徴です。岡山県や熊本県などで飼養されています。

これに対し、肉用牛は3種の区分があります。黒毛和牛をはじめとする「肉専用種」、ホルスタイン種の雄である「乳用種」、黒毛和牛の雄とホルスタイン種の雌を交配させた「交雑種(F1)」です。

「肉専用種」は、文字通り牛肉を生産する目的で飼養されています。「乳用種」は、酪農経営で副産物とされる雄牛で、生乳を生産する雌牛と違い、牛肉の生産向けに肥育されています。「交雑種」は肉質の向上を目的に交配させた牛で、肉専用種よりも成長が早いため生産コストの引き下げにつながっています。

酪農牧場の一日のスケジュールとは?

ここまで酪農や畜産の概要について触れてきました。
皆さんもこれまでの説明で2つの言葉の違いが理解できたかと思います。
続いては実際に「牧場の仕事」の1日はどのようなものなのか、簡単にお伝えしたいと思います。

今回は朝勤と夜勤の2交代制で搾乳作業をしている牧場を取り上げて説明していきます。

こちらの牧場は飼養頭数が約4000頭で搾乳を牛一頭に対して3回行っています。規模が大きいので分業制で仕事をしていることが特徴です。その中でも牧場の十八番の仕事である搾乳部門の一日のスケジュールを紹介していきます。朝勤と呼ばれる早朝からの搾乳作業は以下の通りです。

①出社 4:00
②搾乳(作業)準備 ~4:30
③作業準備が整ったらミーティング(5分程度)
④搾乳作業(1回目) 4:30~10:20
⑥事務作業、データ入力 10:20~11:00
⑦休憩 11:00~12:00
⑧搾乳作業(2回目) 12:00~14:45
⑨退社 15:00

規模が大きい分、一つの仕事に熱中できるのも大規模酪農牧場のメリットとも言えます。物事を一つ一つ極めていきたいと思っている人は適正がある職場と言えるかもしれません。

さらに詳しい仕事内容を知りたい方は下記のページをご覧になってください。酪農牧場の搾乳以外の仕事や、牧場で仕事をする上で気をつけている点など、実際の現場スタッフの生の声をお届けしています。

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北海道が日本の酪農の半分強を占める

牧場にたくさんの牛が飼われている光景が思い浮かぶほど、酪農のイメージが強い北海道。ではなぜ、北海道で酪農が盛んなのでしょうか。その答えは、酪農の中心地である北海道東部の独特な地形や気候にあります。

北海道で酪農が行われている主な地域は、根釧台地(こんせんだいち)と呼ばれる釧路東部~根室海峡の火山灰に覆われた広い大地です。火山灰は保水力に乏しいため、稲作や畑作は適していませんが、牛が好む低温で冷涼な気候のため、大規模な酪農の経営が盛んになりました。夏でも気温が低くて涼しいため、高温になると腐りやすくなる牛乳や乳製品を扱うのに向いているというメリットもあります。

この根釧台地を中心に、北海道では酪農が発展してきました。乳牛の飼育頭数では全国1位で、国内の半数以上を占めています。その日本の牛乳・乳製品を考える際に、北海道なくして語ることはできません。日本の生乳生産量は約740万トン。そのうち約400万トンが北海道産であり、北海道の全国シェアは半数強にものぼります。

北海道内でも、道東(北海道東部)では、帯広市を中心とする十勝平野でも酪農が盛んに行われています。冷涼な気候で欧州のチーズ作りが盛んな地域と同じ北緯に位置するほか、きれいな川が流れているという好条件がそろっています。小麦など大規模な畑作も行われ、「日本の食料基地と呼ばれる十勝は、生乳生産量が全国の50%以上を占める北海道の中でも、高いシェアを占めています。

十勝の中心地、帯広市を拠点に展開するノベルスは、経営する12カ所の牧場で乳用牛や肉用牛合わせて3.4万頭を飼養し、培ってきた高度なノウハウで生乳(加熱殺菌処理前の搾取した状態の牛の乳)を生産しています。このうちホルスタイン種の飼養頭数は9,000頭以上で国内上位。牛乳やチーズなど乳製品の原料となる生乳の出荷量は、2019年実績で全国2位、北海道内1位(酪農乳業速報調べ)となっています。

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ざっくりと説明いたしましたが、乳用牛から牛乳や乳製品を生産する酪農は、家畜を飼育して肉や乳、毛皮などを生産する畜産の一部門であることをご理解いただけたでしょうか。酪農で生産される牛乳には、カルシウムだけでなく、たんぱく質や脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどがバランスよく含まれており、子どもの頃には毎日飲んでいたという人も多いでしょう。

ヨーグルトやチーズなども栄養価が高い乳製品です。これらの原料となる生乳を生産する酪農は、人々にとって生涯大切な健康づくりに役立つ仕事ともいえるでしょう。

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創業以来、北海道・十勝を拠点に、持続可能な農業経営を追求しているノベルズグループでは、現在、酪農牧場、肉牛牧場(肥育牧場、育成牧場)で正社員を募集しています。北海道内で12牧場、山形県(酒田市、最上町)で3牧場を経営しており、各牧場では異業種&移住転職を果たした仲間が、数多く活躍しています。業界未経験の方、移住先での仕事の選択肢を検討中の方は、気軽にご相談ください。「ノベルズウェーブ」ではそんな皆さんに役立つ情報を提供するほか、「ノベルズグループ採用サイト」では、現在募集中の求人情報を紹介していますので、併せてご参照ください。

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