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【肉牛の話③】ノベルズの食品事業と十勝ハーブ牛について語ります!
ノベルズを知る
公開日:2023年5月29日

【肉牛の話③】ノベルズの食品事業と十勝ハーブ牛について語ります!

『肉牛(牛肉)の生産から販売までを知ろう』の第3弾です。ノベルズグループでは、黒毛和種、交雑種の肉牛(一部ホルスタイン)を大規模に生産していますが、自社ブランドの肥育牛を出荷した後、その先の加工・卸販売を行う事業も手掛けており、「ノベルズ食品」がその役割を担っています。今回は、肉牛がトラックに積み込まれて出荷された後のお話しや、ノベルズ食品がどのような事業を手掛けているかを語っていきます。

出荷する前に牧場でどのような飼養をされているのかが気になる人は『肉牛(牛肉)の生産から販売までを知ろう』の第1弾と第2弾の記事もぜひご覧ください!

【肉牛の話②】肥育事業・統括にインタビュー!ノベルズらしい肉牛づくりとは? 【肉牛の話①】肉牛生産の流れを徹底解説!これで肉牛牧場の知識もバッチリです。
目次

枝肉になった牛さんは卸業者に買い取られていきます

まずは牧場から出荷され、と畜後、枝肉になった牛がどのように牛肉として、一般消費者のもとへ届くのかを簡単に説明していきます。「牧場直送」という言葉をたまに目にすることがあるかも知れませんが、一般的には肉牛生産者(牧場)が自社でと畜、加工を行い、スーパーやレストランに販売しているわけではありません。流通の過程で各専門事業者が活躍しています。

枝肉として市場でセリに出された牛は、一般的に卸業者に買われていきます。卸業者とは、簡単に言えば「生産者と販売者をつなげる流通のプロ」です。生産者が育てた牛の肉質や重量、サシのきめ細やかさなど、その枝肉の特徴を掴み、顧客である小売店、レストランに営業提案、販売していきます。したがって、顧客のニーズや趣向を常に把握して、牛肉であれば品質の良い肉、必要な 部位を一定量確保しておくことが重要となります。飲食店では業態によって、赤身志向の店もあれば、サシがきめ細かく入った牛肉を求めるお店もあります。また、産地にこだわったり、雌牛にこだわって提供している店もあります。

食肉を扱う卸業者は全国に大小合わせて1,800以上あると言われています。規模もCMでおなじみの大手食肉商社から、中小企業まで様々で、各社は取り扱う食肉のラインアップ、取引先のネットワークを活かして事業を行っています。ノベルズ食品も、肉牛生産者であるノベルズグループの自社ブランド牛を取り扱う卸事業会社として、小規模ながら事業を行っています。

牛乳の“種類”、見分けがついていますか?

ノベルズ食品って一体どんな事業を行っているの?

ノベルズ食品は、ノベルズグループの牧場で生産した自社ブランド牛の加工・卸販売を行う事業会社となります。そのほか、『十勝ハーブ牛』を専門に扱った唯一の焼肉店『MONMOM(もんもん)』(東京・神保町)を運営する飲食事業も手掛けています。

MONMOM

ノベルズ食品が設立したのは、株式会社ノベルズができた2006年から3年後の2009年。設立にあたり、ノベルズグループ全体としての牛肉への思いがあったようでした。

ノベルズ食品

ノベルズは、「交雑種1産取り肥育」(交雑種の雌牛に和牛受精卵を移植し、代理出産の形式で和牛の子牛を生産・販売しながら、1回お産した母牛を肥育・販売するビジネスモデル)を創業当初に確立し、事業として収益の二元化を実現しました。一方で、1産した交雑種の雌牛を肥育し、お肉として提供するにあたっては牛本来の美味しさを消費者の皆様に届けたいという思いがありました。現在、その多くは自社ブランド「十勝ハーブ牛」として販売しています。

というのも、現在の食肉業界において、牛肉の価値はどうしてもサシが入っているのか否かで判断されがちだと思っています。でも、よく考えてみたら、サシが入っている牛肉が美味しいという価値観は一辺倒すぎると思いませんか。例えば、和牛のサシが多い肉を食べたときに、どうしても脂がきつくて、全く量が食べられないなどの経験をしたことがある人は多いと思います。上質な脂を持つ牛肉は、それはそれで美味しいのですが、量も食べることもできないし、サシの脂自体が苦手だと思う方も沢山いますよね。人の価値観はそれぞれ異なるものですから、赤身の旨味を重視した牛肉も需要があるだろうと考えたんです。

そういった思いからノベルズ食品は新たな牛肉の美味しさを提供するために立ち上がりました。ノベルズグループの自社ブランド「十勝ハーブ牛」は、和牛よりも赤身が取れやすい交雑種を32~40ヶ月間長期肥育することによって、赤身とサシのバランスが取れ、本来の牛の旨味をもった肉牛を生産しています。この美味しさをより多くの消費者の皆様へお届けするのが私達の使命です。

牛肉の本来の美味しさは赤身にあると語るノベルズ食品の担当者。確かに一昔前までは、焼肉屋で提供されていたお肉も赤身のお肉が多かったような。今や海外のオージービーフも人気があるようですし、消費者のニーズとしてはかなり大きいものがあるのかもしれませんね。

牛乳の“種類”、見分けがついていますか?

ノベルズ食品の特徴や、強みについて

ノベルズ食品は、当初、十勝ハーブ牛の美味しさを伝える役割を担う事業会社として設立しました。その後、現在では和牛、ホルスタイン(雌)の肥育事業も立ち上がり、それぞれの自社ブランド牛を取り扱う機会も出てきました。現在、取り扱っている自社ブランドは下 記の3つです。

【十勝ハーブ牛】(交雑種)
ノベルズ食品が立ち上がるきっかけとなった交雑種の自社ブランド。月齢32カ月以上、40カ月未満という肉用の交雑種としては、ほとんど例のない長期にわたって飼養しています。牛の成長に合わせて13種類のハーブを混合した餌を与え、体調を整えて、長い期間をかけてゆっくりと育て、適度な赤身とサシが入った牛本来の美味しさを味わえる肉となっています。主に、北海道・上士幌町、足寄町の牧場で生産しています。

十勝ハーブ牛HP

【玆(ゲン)】(黒毛和種)
2022年秋に新たに立ち上げた和牛の自社ブランド。ノベルズグループの肥育牧場で飼養管理された牛たちで、その殆どがグループ内の牧場で繁殖、育成まで手掛けている牛たちです。現在、主に北海道の音更町、足寄町、弟子屈町のほか、山形県の最上町の牧場で飼養されています。優秀な母牛の遺伝的な能力と血統を受け継いだ、高い産肉能力を持った牛たちの潜在能力を余すことなく引き出す飼養管理と自家設計の配合飼料で、時間と慈愛をかけて育まれています。

黒毛和牛 「玆」HP

【RE:牛(リ・ギュー)】(ホルスタイン)
生乳生産という大きな役目を終えた乳牛たちに対して、食肉としての新たな付加価値を創出し、その恵みを大切に消費するノベルズグループの新たな食肉提供の形です。一般的にはホルスタインはミルクを私達に提供してくれる生き物であり、食肉用の牛ではありません。今までは、乳牛としての役目を終えたホルスタインはすぐに肉牛として出荷され、加工食品となっていました。しかし、栄養価の高い餌を与えて再肥育することによって、食肉としての価値を高めた後に出荷することが可能となります。牛に対して最後まで役目を与えて美味しく頂きたい。そんな思いが込められた自社ブランド牛です。

ノベルズ食品

ノベルズ食品が他の卸業者と違うのは、やはり、ノベルズグループとして一貫した生産システムを確立していること。それはイコールとして、肉の品質と量の安定供給につながっています。

実は、松阪牛や神戸牛という日本のブランド牛は、地域でブランド化している肉牛になるので、同じ松阪牛でも、生産者の飼養管理や餌の中身によって、味わいは全く異なってきます。また、地域のブランド牛は生まれてから出荷するまで、ずっとその地域にいたということでは無く、一般的には育成期間を追えた9ヶ月齢から出荷まで肥育した牛がブランド牛として認められます(※ブランドの基準によって異なります)
つまり、例えば北海道で生まれた和牛子牛が、三重の松阪地域の肥育農家に買い取られ、そのまま肥育されると「松阪牛」として命名され、流通していることもあるということです。

同一の地域環境であっても、同一のブランド牛を複数の農家さんで育てていくことは、飼養管理の違いから、品質にムラが出てしまうのは仕方のないことです。ノベルズグループの和牛生産においては、「繁殖~育成~肥育」まで一貫した飼養管理体制を確立しているため、出荷後の品質や安全性については責任を持つことができます。交雑牛の十勝ハーブ牛についても、同一グループが生産しているため、ノベルズ食品で卸す牛肉は、品質にブレがないということで取引先にも好評です。

この連載企画の中でも紹介してきた「牛肉の生産・販売の一体型事業モデル」は、グループ牧場による一気通貫型の生産体制に加え、ノベルズ食品が販売に関わることで、消費者の皆様へ質量の両面で安定した牛肉を提供できることを可能にしています。

牛乳の“種類”、見分けがついていますか?

これからのノベルズ食品の取り組み

ノベルズグループが急成長するにつれて、ノベルズ食品の扱う牛肉商品のラインアップも増えてきました。和牛、交雑牛、ホルスタインの各ブランド牛は食肉としてそれぞれ特徴があり、私たち生産者の思いも沢山つまった自信のある商品です。ノベルズ食品はそんな思いを受け継ぎ、消費者の皆さんへ繋いでいきます。現在、ふるさと納税への出品やECサイト運営など様々な取り組みを行っていますが、今後、どのような未来を思い描いているのでしょうか?

ノベルズ食品

ノベルズ食品の事業方針は全く変わっていません。ノベルズグループで育てた本来の牛肉の美味しさを消費者様へ提供する。そして私達の強みは生産現場の生の声をそのままお届けできることです。ですので、やはり私達の提供する肉の美味しさに共感してくれた人や、魅力的だと感じてくれた事業者とお付き合いしたいと思っています。

それを実現するために、日本を出て、海外での販路拡大も目指しています。現在はタイやニューヨークで卸事業を展開していますが、今後はシンガポールを始めとした東南アジアを中心に、日本の牛肉の魅力を発信していきます。

また、ノベルズグループは創業から17年目の新興企業でありながら、畜産業界の中では存在感を増してきましたが、食肉業界や飲食業界においては、まだまだ自社ブランドの浸透はできていない状況です。知名度を獲得するためにも、販路を拡大しつつ、物産展に出展したり、PR活動に取り組んでいきたいと思います。お肉の質もさることながら市場のニーズがあることはわかっているので、ここからは私達、食品事業部の力の見せ所です。

これからは海外展開も視野に入れ、日本の牛肉の美味しさを伝えていくとのこと。事業機会が一気に広がってワクワクしますね!北海道十勝の大自然の中、丁寧に育てられた牛たちが世界で活躍することを楽しみにしています!

牛乳の“種類”、見分けがついていますか?

ノベルズ食品の取り組みについて説明していきましたが、いかがでしたでしょうか。次回はついに『肉牛(牛肉)の生産から販売までを知ろう』の最終記事です。これまで第1~3弾で説明してきたノベルズの思いを受け継いだ飲食店をたくさん紹介しちゃいます。北海道でも東京でも全国で食べられるノベルズの美味しい牛肉をどうぞ貴方もご堪能あれ!

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創業以来、北海道・十勝を拠点に、持続可能な農業経営を追求しているノベルズグループでは、現在、酪農牧場、肉牛牧場(肥育牧場、育成牧場)で正社員を募集しています。北海道内で12牧場、山形県(酒田市、最上町)で3牧場を経営しており、各牧場では異業種&移住転職を果たした仲間が、数多く活躍しています。業界未経験の方、移住先での仕事の選択肢を検討中の方は、気軽にご相談ください。「ノベルズウェーブ」ではそんな皆さんに役立つ情報を提供するほか、「ノベルズグループ採用サイト」では、現在募集中の求人情報を紹介していますので、併せてご参照ください。

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