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【ネタバレあり】実録! 酪農転職の面接「理解と覚悟の2日間」(後編)
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公開日:2023年8月4日

【ネタバレあり】実録! 酪農転職の面接「理解と覚悟の2日間」(後編)

「牧場での仕事」、「畜産・酪農業界への転職」を検討されている方にとって、大きな関心事の一つが「面接」や「現地視察」。特に、候補の牧場が遠方にある場合は、情報収集が難しく、気になるところ。情報提供の方法、現地での対応は牧場により様々ですが、北海道・十勝地方を拠点に肉牛・酪農事業を展開する、ノベルズグループでは「首都圏はじめ都府県から北海道への移住転職を目指している方」向けの面接&視察ツアーを実施しています。今回、特別に応募者の田中滋さん(仮名)に密着取材。〈後編〉では、2日目、最終面接の模様を中心にレポートします。1日目〈前編〉をまだ読んでいない方はこちらもご参照ください。

【ネタバレあり】実録! 酪農転職の面接「理解と覚悟の2日間」(前編)
目次

応募者 田中滋さん(仮名)

〈田中滋さん(仮名)プロフィール〉
・年齢:33才(男性)
・出身:千葉県
・大学:会計学を専攻
・業務経験:主に経理業務(私生活で祖母の介護支援を経験あり)
・趣味:音楽鑑賞、散歩
・転職活動:酪農/畜産、介護業界
・今回の応募先:酪農牧場スタッフ(浦幌デーリィファーム)

「新しいことに挑戦するには、新しい場所で挑戦してもよいのでは」と転職先に、北海道の酪農牧場を選んだ田中さん。当初描いていた牧場の仕事に対するイメージは漠然としていたものの、飼養管理にデータを有効活用している現代の酪農に興味を持ち、今回応募しました。

酪農転職の面接&視察ツアー2日目(住居視察)

初日のガイダンスを経て、ツアーはいよいよ本番の2日目。朝の8時過ぎに宿泊先前で集合し、今回田中さんが応募した酪農牧場、浦幌デーリィファームへ車で向かいます。牧場の所在地は、帯広から東に約50km、車で約1時間の場所にあります。車窓から見える交通量やスーパーの立地状況を見ながら、運転を務める採用担当者が、この土地の生活環境について説明します。市街地を過ぎてしばらく走ると、あっという間に広大な自然風景、畑の風景が目の前に広がります。

牧場へ向かう途中、借り上げ社宅に立ち寄りました。あいにく牧場近隣、浦幌町内の社員寮は満室のため、この日は隣町、豊頃町にある物件を見学。この日見学した物件は1LDKで家賃44,000円。住宅手当(当該家賃の場合は13,000円の補助)がつき、自己負担は31,000円ほどになります(水道光熱費は自己負担)。セイコーマートが隣接し、牧場まで車で12分ほどの距離です。

「現在は、実家暮らしですが、部屋の広さも十分で気に入りました」(田中さん)。

酪農転職の面接&視察ツアー(2日目/牧場視察)

借り上げ社宅の視察後、いよいよ浦幌デーリィファームに到着です。浦幌デーリィファームは2019年に稼働を開始した、十勝管内にあるノベルズグループの酪農第二拠点で、飼養頭数が約2,300頭(搾乳牛:約1,700頭)、生乳出荷量が約21,000トン(2022年度)のギガファームです。面接の前に牧場内を視察します。

以前は防護服を着用の上、場内を徒歩でアテンドしていましたが、当社の酪農牧場は敷地面積も広く、歩いて周ると時間もかかり、応募者の方も面接前に疲れてしまうので、最近は車で周っています。搾乳部門を希望されている応募者の場合は、実際に搾乳施設、ロータリーパーラーをお見せすることもあります。この日は、フリーストール牛舎や分娩牛舎、堆肥舎、飼料庫、バンカーサイロ、牧場に隣接するバイオガスプラントを、数十分かけて回りました

「実際に牛舎で牛を見て、自身がここで働くことをイメージした時に、安全面で注意が必要だと思いました。また、生き物の命を預かる仕事に対する責任感も湧きました。牛たちが、ふん尿を排せつする様子も目の当たりにしました。エサを沢山食べる分、排せつ物がたくさん出るのも当然です。場内を1周してみて、実際にふん尿が発酵処理され、堆肥として再利用されるなど、資源循環の仕組みが構築されている点にも感動しました。ホームページの写真などでは知っていましたが、実際見るとまた違います」(田中さん)

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酪農転職の面接&視察ツアー(2日目/最終面接)

実際に牧場の雰囲気を体感した後、事務所内の会議室へ移動し、いよいよ最終面接です。この日は牧場長と副牧場長が参加。田中さんもやや緊張した面持ちの中、採用担当者の進行でスタート。酪農牧場で最終面接では、主にどんな質問をされるのでしょうか? ここではその一部を、大きくテーマに分けてご紹介します。

家族のこと
●北海道という遠方へ転職を考えていることに対して、ご両親はどう考えているか? 将来、ご高齢になられた際には傍にいてほしいと思われないか?

「入社間もなく、家庭の事情により退社を余儀なくされるケースもあります。田中さんの場合、長男の一人っ子で、ご両親ともに元気で働いていますが、長女の一人っ子の応募者の場合、ご両親が心配をされるケースもあるため、事前に確認をしています」(採用担当者)

牛のこと・酪農のこと
●酪農に対する現時点での率直なイメージについて
●これまでの人生、生活での動物とのふれあい、距離感について
●実際に牛を間近で見て、怖いとか大きくて苦手意識とかあるか
●入社後、稀に牛アレルギーであることが判明する社員もいるが、何かアレルギーはあるか
●実際、牧場内を視察して、イメージしていたものと違いがあったか

「やはり、実際に牛の大きさや牛舎内の雰囲気、牧場内で働いている人の様子を間近で体感して、中には想像とは異なり少し抵抗を感じたり、自信を無くしてしまう方もいるかもしれませんが、率直な感想をお話いただければと思います」(牧場長)

労働環境のこと
●北海道、牧場での仕事に対して、体力面、冬の寒さへの不安はないか
●牧場現場では、作業着が汚れることも多いが平気か
●拘束時間が長めの職種であるが、ストレスにはならないか

どこの酪農牧場でも、正社員であれば一般的な職種よりも拘束時間は長めで、早朝勤務もあります。当社の酪農牧場だと通常10時間、日によっては11時間、12時間になる日もある。応募者のこれまでの社会人経験によっては、従来の生活より拘束時間が急に長くなる。今まで短時間のアルバイトしか経験したことのない新卒入社の若い子たちでもしんどく感じることがよくある。その辺は覚悟してほしいと考えています」(副牧場長)

入社後のキャリアのこと
●自身が目指しているキャリアの姿があれば教えてほしい

「業界未経験の方であれば、どのようなスキルを身につけていけるのか、まだイメージがわなかいのは当然です。ただ、1年、3年、5年後にどうなっていたいか、ぼんやりでも考えを共有いただければ、入社後、それに向けてサポートできることもあります」(採用担当者)

「これまで会計情報に触れる機会が多く、元々数字を扱うこと、その数字の持つ意味、できあがる過程を理解することが好きでした。そういう意味では、入社後はまず現場で牛のことをよく知り、2年以内には後輩に牛のことを教えられるようになりたいです。その上で牛や牧場にまつわる様々なデータの持つ意味を理解し、常に現場に関わりながら、将来はデータ分析のスペシャリストになりたいと考えています。説明していただいた部門の中では、繁殖の仕事に関心を持ちました」(田中さん)。

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【祝・内定】田中さんが配属予定の「繁殖部門」とは

色々な質問を通じて、田中さんの強い意志が確認できたところで、面接は具体的な入社に向けて、配属予定の部門の話に移ります。配属先は、牧場の都合で人員が足りない部門を打診させていただく場合もありますが、応募者の方の適性や意志も加味して決定しています。今回は、牧場側でも田中さんは繁殖部門が向いていると考え、面接終了後、その場で内々定を告げられました。

今回、田中さんが酪農の仕事で第一步を踏み出すこととなった、繁殖の仕事とはどんな仕事なのでしょうか。

人と同じで、乳牛も子牛を分娩して初めてお乳が出ます。そのために、酪農牧場では人工受精や受精卵移植を行っていますが、ノベルズグループの場合、自家製の和牛受精卵を移植し、乳牛を借り腹にした代理出産の形で市場価値の高い和牛子牛を生産し、生乳とともに主産物として販売しています。

繁殖部門の主な業務は受精卵移植、妊娠検査で、勤務時間は7時~18時(休憩1時間、実働10時間)となっています。午前中は主に牛舎内を周りながら、超音波診断を使って受精卵移植ができる状態か、妊娠しているか検査を行い、牛の肛門に腕を入れてチェックもします。午後は自社の研究所から持ってきた受精卵を移植します。

繁殖部門は、技術を習得するのに時間がかかる専門性の高い部署です。技術の熟練度で受胎率、顕著な差が出ることもあり、他の部門と比べると個人の力量が出る部署です。最初の1、2カ月は雑務からになりますが、本人のやる気次第、先輩社員やコンサルタントの獣医師先生にどれだけ質問するかで成長スピードも大きく変わり、1年後の習得具合にも大きな差が出てきます。当社の牧場は飼養頭数が多いため、実務経験を多く積むことができます。技術、経験に加えてデータを分析、活用することで受胎率の改善も可能になります。また、特に繁殖部門は前後の間接部門である分娩部門、診療部門の状況も把握しておかないと繁殖成績にはね返ってきます。つまり、自ずと業務の視点が牧場全体の環境改善へと広がっていくため、そういう意味では将来、牧場全体の管理職へつながりやすい部署とも言えます」(副牧場長)

理解と覚悟の2日間を終えて

牧場での最終面接を終えて、帰りの車の中で、田中さんにこの2日間のツアーについて感想を伺いました。

「元々、牧場での仕事、北海道での暮らしに対して覚悟を持って応募しましたが、実際に現地で 牧場みて、ビジネスモデルや現場で働く様子に触れることができ、理解と覚悟が深まりました。牧場で酪農に関する書籍も借りたので入社までに目を通しつつ、ペーパードライバーなので、車の手配と運転の練習もしっかり準備したいと思います」(田中さん)。

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創業以来、北海道・十勝を拠点に、持続可能な農業経営を追求しているノベルズグループでは、現在、酪農牧場、肉牛牧場(肥育牧場、育成牧場)で正社員を募集しています。北海道内で12牧場、山形県(酒田市、最上町)で3牧場を経営しており、各牧場では異業種&移住転職を果たした仲間が、数多く活躍しています。業界未経験の方、移住先での仕事の選択肢を検討中の方は、気軽にご相談ください。「ノベルズウェーブ」ではそんな皆さんに役立つ情報を提供するほか、「ノベルズグループ採用サイト」では、現在募集中の求人情報を紹介していますので、併せてご参照ください。

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